「その業者、本当に大丈夫?」名古屋で後悔しないための、怪しい塗装業者の見分け方

名古屋市内でマイホームを構え、20年、25年と月日が経つ。「そろそろ、うちも外壁のメンテナンスを考えないといけないかな」と思い始めた、ちょうどそのタイミングで、突然インターホンが鳴る。


「こんにちは、近所で塗装工事をしておりまして、ご挨拶に伺いました。今なら、ご近所様特別価格でご案内できますよ」


そんな風に、丁寧な物腰で語りかけられると、「ちょうど良い機会かもしれない」と、少し心が動いてしまうかもしれません。しかしその一方で、「なんだか話がうますぎるな」「本当に、この業者を信じて大丈夫なんだろうか」という、漠然とした不安を感じるのも、また正直なところではないでしょうか。


その、ご自身の心の中に芽生えた、わずかな違和感や警戒心。それこそが、悪質な業者から、あなたの大切な住まいと財産を守るための、最も重要なセンサーです。


この記事では、そうした業者に騙されることなく、心から安心して我が家を任せられるパートナーを見つけるために、怪しい業者が使う具体的な「言葉」と「行動」の特徴について、専門家の視点から、一つひとつ詳しく解説していきます。




こんな言葉に要注意。契約を急かす業者が使う、5つの危険なセールストーク

怪しい業者は、私たちの「少しでもお得に工事をしたい」という気持ちや、「このままでは大変なことになるかもしれない」という不安を、巧みに利用してきます。もし、あなたが業者との会話の中で、これから挙げるような言葉を耳にしたら、それは一度立ち止まって、冷静になるべきサインです。



①「モニター価格」「キャンペーン中」で大幅値引き

「この地域で、当社の新しい塗料の施工実績を作りたいので、今だけモニター価格で半額にします」といった提案です。限定感を煽り、お得であるかのように見せかける常套句ですが、注意が必要です。多くの場合、そもそも元の価格が不当に高く設定されており、半額になっても、決して安くはないケースがほとんどです。



②「近隣で工事中なので足場代が無料」

「お隣の工事で使った足場を、そのまま使うので足場代はサービスします」というのも、非常によく聞くセールストークです。しかし、足場の設置には、材料の運搬や組み立て・解体など、数十万円単位の費用がかかります。それを完全に無料にする、というのは、事業として考えにくいことです。ほとんどの場合、その費用は、塗料代や工事費など、見積もりの別の項目に上乗せされているだけです。



③「火災保険の申請で自己負担ゼロにできる」

「台風の被害ということにして申請すれば、保険金で工事ができるので、お客様の負担は実質ゼロですよ」といった、保険の利用を勧めてくるケースです。これは、最も注意すべき危険な誘い文句の一つです。経年劣化による塗り替えは、火災保険の対象外です。もし、虚偽の理由で申請に加担してしまうと、お客様ご自身が「詐欺」という犯罪に問われかねません。



④「今日中に契約すれば、さらに値引き」

お客様に、他の業者と比較検討させたり、冷静に考えたりする時間を与えないために、「本日限定」「今決めてくれれば」といった言葉で、その場での契約を執拗に迫ります。本当に自社の仕事に自信がある業者であれば、お客様が納得するまで、じっくりと考える時間を与えてくれるはずです。



⑤「自社開発のオリジナル特殊塗料」

「これは、うちでしか扱っていない、自社開発の特別な塗料でして…」という説明も、注意深く聞く必要があります。聞こえは良いですが、その実態は、無名なメーカーの安価な塗料に、自社のラベルを貼っているだけ、という可能性があります。どのメーカーの、何という製品なのかが分からなければ、その塗料の適正な価格や耐久性を、客観的に判断することができません。




言葉だけでなく行動で判断。怪しい業者に共通する7つの特徴

巧みな言葉に惑わされないことも大切ですが、その業者の「行動」や、提示してくる「書類」に目を向けることで、信頼性を見極めることができます。契約を考える前に、ぜひ確認していただきたい、7つのチェックリストです。



① こちらの質問に具体的に答えない、話をはぐらかす

塗料の耐久年数や、保証の詳細について質問した際に、「大丈夫です」「しっかりやりますから」といった、曖昧な返事しかせず、具体的な説明を避けようとする場合は、注意が必要です。専門家であれば、どんな質問にも、根拠を持って明確に答えられるはずです。



② 診断もせずに、すぐに「塗り替えが必要です」と断定する

家の周りを少し見ただけで、「このままでは大変なことになりますよ」と、すぐに工事の必要性を断定してくる。これも、怪しい業者の特徴です。信頼できる業者は、まず時間をかけて建物の状態を隅々まで診断し、その結果を写真などで示しながら、なぜ工事が必要なのかを丁寧に説明してくれます。



③ 契約を異常に急かす、長時間居座る

「今日中に決めてください」と、何度も決断を迫ってきたり、断っているのに、なかなか帰ろうとせず、長時間居座ったりする。こうした強引な営業方法は、お客様を精神的に追い詰め、冷静な判断を奪うための手口です。



④ 見積書の内訳が「一式」ばかりで不透明

提示された見積書に、「外壁塗装工事 一式」「付帯部塗装 一式」というように、どんぶり勘定な記載しかない場合は、危険信号です。どの部分に、どの塗料を、どれくらいの面積塗るのか、といった詳細な内訳がなければ、その金額が適正かどうかを判断できません。



⑤ 使用する塗料のメーカー名・製品名を隠す

見積書や契約書に、使用する塗料の具体的なメーカー名や製品名が記載されていない。これは、お客様に知られると都合の悪い、安価で質の低い塗料を使おうとしている可能性があります。



⑥ 保証内容について、書面ではなく口約束で済ませようとする

「何かあったら、いつでも電話してください」と口では言っていても、保証期間や保証内容を明記した、正式な「保証書」を発行しない業者も信頼できません。口約束は、後々のトラブルの元になります。



⑦ 会社の所在地が不明確、または連絡先が携帯電話番号しかない

チラシや名刺に、会社の住所がきちんと書かれていなかったり、連絡先が携帯電話の番号しか記載されていなかったりする場合も、注意が必要です。しっかりとその地域に根ざして営業している会社であれば、事務所の所在地や、固定電話の番号があるのが通常です。




なぜ、怪しい業者はなくならないのか?外壁塗装業界が抱える構造的な問題

ここまで、怪しい業者が使う言葉や行動の特徴についてお話ししてきましたが、そもそも、なぜ、これほどまでに塗装に関するトラブルは後を絶たないのでしょうか。その背景には、外壁塗装業界が抱える、いくつかの構造的な問題が存在します。



誰でも「塗装店」を名乗れてしまう現実

実は、外壁塗装の事業は、法律上、特別な資格や許可がなくても、誰でも「今日から塗装店です」と名乗り、開業することができてしまいます。もちろん、これは誠実に、高い技術力を持って事業を営んでいる多くの塗装店には、全く関係のない話です。しかし、この参入のしやすさが、残念ながら、技術や経験、そして何よりもお客様に対する誠実さに欠ける業者が、簡単に市場に入り込めてしまう一因となっているのです。



安さの裏にある「多重下請け構造」という課題

そして、より根深いのが、一部の業者に見られる「多重下請け構造」という問題です。これは、お客様から工事の契約を取る会社(元請け)と、実際に現場で塗装作業を行う職人とが、別であるという構造です。


例えば、テレビCMを放映しているような大手リフォーム会社が、お客様から150万円で工事を受注したとします。その会社は、自社で職人を抱えていないため、その仕事を下請けの工務店に、120万円で発注します。そして、その工務店もまた、実際の作業を、さらにその下請けである、地域の小さな塗装店に90万円で発注する、といったことが起こり得ます。


この過程で、お客様が支払った費用の中から、いくつもの「中間マージン」が抜かれていきます。結果として、実際に現場で作業を行う職人に渡る予算は、大幅に削られてしまうのです。限られた予算の中で利益を出すためには、どこかで手を抜かざるを得ません。塗料を規定以上に薄めて使ったり、三回塗るべきところを二回で済ませたり。こうした「手抜き工事」が、この構造から生まれやすくなっているのです。




悪徳業者を避け、信頼できるパートナーを見つけるための4つのステップ

業界の構造的な問題を理解した上で、では、私たちはどうすれば、そうした悪徳業者を避け、本当に信頼できる、誠実なパートナーを見つけることができるのでしょうか。ここでは、具体的な4つのステップをご紹介します。



① 地元・名古屋での長年の実績を確認する

まず、その会社が、名古屋市とその周辺地域で、どのくらいの期間、事業を続けているかを確認してみましょう。長く同じ場所で営業を続けているということは、それだけ地域のお客様から信頼され、評判を落とすような仕事をしてこなかった、という一つの証になります。悪質な業者は、評判が悪くなると、すぐに場所を変えたり、会社名を変えたりする傾向があります。



② 公的な「許可」や「資格」を持っているか確認する

外壁塗装の事業自体に、必須の資格はありませんが、技術力や信頼性を客観的に証明する、公的な許可や資格は存在します。

・建設業許可:500万円以上の工事を請け負うために必要な、都道府県知事からの許可です。財産的な基盤や、経営管理能力が一定の基準を満たしていることの証明になります。

・一級塗装技能士:塗装の技術に関する、国家資格の最上位です。この資格を持つ職人が在籍しているということは、高い技術力を持つ会社であることの、客観的な証拠となります。



③ 必ず複数の業者から話を聞き、提案内容を比較する

面倒に感じられるかもしれませんが、必ず最低でも3社程度の業者から話を聞き、見積もりを取ることを強くお勧めします。ここで大切なのは、合計金額だけを比べるのではありません。見積もりの内容がどれだけ詳細で分かりやすいか。こちらの質問に対して、担当者がどれだけ専門知識を持って、誠実に答えてくれるか。そうした、価格以外の部分を、総合的に比較検討することが重要です。



④「職人直営」の会社に相談してみる

先ほどお話しした「多重下請け構造」の問題を避けるための、最も有効な方法が、この「職人直営店」を選ぶ、ということです。これは、下請け業者に仕事を丸投げするのではなく、相談から診断、そして施工まで、すべてを自社で雇用・育成している職人が一貫して担当する会社のことです。中間マージンが発生しないため、適正な価格で、質の高い工事が期待できます。そして何より、工事に関する責任の所在が明確であるという、大きな安心感があります。私たちリフォームの松もとが、まさにこの「職人直営」の理念を、創業以来ずっと貫き続けています。

https://www.reform-matsumoto.jp/paint




不安を「知識」に変え、納得のいく業者選びを

外壁塗装の業者選びで、最も避けるべきこと。それは、業者に対する不安や、知識不足からくる焦りを感じたまま、契約をしてしまうことです。


この記事でお話ししてきた、怪しい業者が使う言葉や、その行動の特徴。それらの知識は、あなたの不安を、業者を見極めるための「確かな判断基準」という、心強いお守りに変えてくれるはずです。


どうか、焦らないでください。名古屋にも、お客様の家のことを自分の家のように考え、誇りを持って誠実な仕事をしている、素晴らしい職人や会社は、本当にたくさん存在します。


大切なのは、そうした業者の中から、ご自身が「この人になら、大切な家を任せられる」と、心から納得できるパートナーを見つけることです。価格だけでなく、担当者の人柄や、会社としての理念に共感できるかどうか。そうしたコミュニケーションを重ねていく中で、信頼関係は育まれていきます。


もし、業者選びのことで少しでも不安に思うことや、他社から提示された見積もりの見方で分からないことがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。契約をするかどうかは、全く別の話です。まずは、あなたのその不安な気持ちに、専門家として寄り添うことから、始めさせていただきます。

https://www.reform-matsumoto.jp/contact

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