外壁塗装のDIYは絶対やめて!名古屋の気候で起こりがちな悲惨な失敗例と5つのリスク

最近では、テレビやインターネットの影響もあり、「DIY(Do It Yourself)」、つまり自分の手で何かを作ったり、修繕したりすることを楽しむ文化が、すっかり定着しました。小さな家具の色を塗り替えたり、お部屋の壁紙を張り替えたり。そうした作業は、費用を抑えられるだけでなく、自分の手で何かを成し遂げるという、大きな満足感も与えてくれます。


その流れで、「家の外壁塗装も、自分でやってみようか」と、お考えになる方がいらっしゃるかもしれません。人件費を節約できれば、工事費用を大幅に安くできるのではないか。そのお気持ちは、非常によく分かります。


しかし、私たち専門家の立場から、はっきりと申し上げなければなりません。内装の塗装と、家の外壁塗装とでは、その難易度とリスクが、全く異なります。安易な気持ちで手を出してしまうと、費用を節約できるどころか、かえって大きな金銭的損失を招いたり、そして何よりも、取り返しのつかない事態に繋がったりする危険性をはらんでいるのです。


これは、私たちの仕事を守るためにお話ししているのではありません。お客様ご自身を、後悔や危険から守るために、知っておいていただきたい大切なことです。




【リスク①②】素人仕事では防げない「品質」と「安全性」の問題

外壁塗装のDIYをお勧めしない最大の理由は、プロの仕事との間には、越えがたい「品質」の壁と、決して軽視できない「安全性」のリスクが存在するからです。



① プロとの圧倒的な品質の差

長持ちする、美しい塗装の仕上がりは、その約8割が「下地処理」という、塗る前の地道な準備作業で決まる、と私たちは考えています。


・下地処理の甘さ:高圧洗浄機で、長年の汚れや古い塗膜を完全に除去する。ひび割れや傷んだ部分を、一つひとつ丁寧に補修する。塗料の密着性を高めるための下塗り材を、ムラなく塗布する。こうした専門的な下地処理を、一般の方がプロと同じレベルで行うのは、極めて困難です。この工程が不十分だと、どんなに高価な塗料を塗っても、1~2年で剥がれてきてしまう、という悲劇に繋がります。

・塗りムラ:均一な厚みで、ムラなく塗料を塗り広げていく作業は、長年の経験が求められる職人技です。一般の方がローラーや刷毛で塗ると、どうしても塗りムラができてしまい、見た目がまだら模様のように、不格好な仕上がりになってしまいます。



② 命に関わる「安全性」の問題

そして、品質以上に重要で、私たちが最も強くお伝えしたいのが、この安全性の問題です。二階建ての住宅の場合、屋根の近くにある壁などを塗装するには、地面から数メートルもの高さで作業する必要があります。


私たちプロは、国が定めた安全基準に則って、頑丈な足場を組み立て、ヘルメットや安全帯を着用して、常に危険に備えながら作業を行います。しかし、一般の方が、ぐらつく脚立の上や、簡易的な足場で作業を行うことは、非常に危険な行為です。もし、その高さから転落してしまったら、深刻な怪我や、時には命に関わる事態にもなりかねません。


どれだけ費用を節約できたとしても、ご自身の安全と引き換えにして良いはずがありません。




【リスク③④】「安く済む」は幻想?時間もお金もプロに頼むより高くつく現実

そもそも、DIYの最大の動機である「費用を安く抑えられる」という点についても、実は大きな誤解が潜んでいます。実際に計算してみると、想像以上にお金と時間がかかってしまい、結果的に「プロに頼んだ方が、よっぽど良かった」ということになりがちです。



③ 材料や道具を揃えるだけでも、数十万円の出費

外壁塗装に必要なのは、塗料の缶だけではありません。まず、壁の汚れを落とすための高圧洗浄機。安全に作業するための、足場のレンタル費用。そして、ローラーや刷毛、塗料を入れる容器、壁以外の部分を汚さないように保護する養生シートやテープ、ひび割れを補修するためのシーリング材、塗料の密着を良くするための下塗り材(プライマー)、そして、本番の塗料(上塗り材)が、家の面積分の量だけ必要になります。


これらを一つひとつ買い揃えたり、レンタルしたりするだけで、あっという間に数十万円の出費になってしまうことも珍しくありません。



④ 貴重な休日がすべて消える「時間の浪費」

プロの職人がチームを組んで行っても、一般的な住宅の塗装には、2週間~3週間ほどの期間がかかります。これを、もしご自身で、週末の時間だけを使って行おうとしたら、一体どのくらいの時間がかかるでしょうか。


おそらく、何か月もの間、貴重な休日をすべて、朝から晩まで、慣れない肉体労働と危険な高所作業に費やすことになります。そして、それだけの時間と労力をかけたにも関わらず、仕上がりはプロの足元にも及ばない、という現実に直面することになる可能性が高いのです。その膨大な時間を、ご家族と過ごしたり、趣味を楽しんだりすることに使った方が、どれだけ有意義でしょうか。




【リスク⑤】名古屋の気候がDIYの難易度を上げる

塗装の品質は、その日の天候に大きく左右されます。特に、名古屋のように季節ごとの気候の変化がはっきりしている地域では、一般の方が天候を読みながら作業を進めるのは、想像以上に困難なことです。


夏の塗装を考えてみましょう。厳しい日差しで壁の表面が高温になっている状態で塗装をすると、塗料が適切なスピードで乾かず、塗膜に気泡ができてしまうなどの不具合(施工不良)が起きやすくなります。また、近年増えている、午後の突然のゲリラ豪雨も大敵です。せっかく塗った塗料が、乾ききる前に激しい雨で流されてしまっては、元も子もありません。


逆に冬場は、気温の低さが問題になります。多くの塗料は、気温が5℃以下になると、正常に固まることができず、本来の耐久性を発揮できなくなってしまいます。日中の気温はそれ以上でも、朝方や夕方に氷点下近くまで冷え込む名古屋の冬では、一日のうちで塗装作業ができる時間は、非常に限られてしまいます。


こうした天候の変化を予測し、その日の状況に合わせて「今日は作業を進めるべきか、中止すべきか」を的確に判断するには、長年の経験と専門的な知識が不可欠なのです。




失敗後の悲劇。プロによる「やり直し工事」は高くつく

もし、DIYに挑戦したものの、途中で断念してしまったり、あるいは、完成したものの、1~2年で塗装が剥がれてきてしまったりした場合、どうなるのでしょうか。結局、専門の業者に「やり直し」を依頼することになります。


そして、ここで非常に残念なお知らせがあります。この「やり直し工事」は、最初からプロに依頼するよりも、かえって費用が高くついてしまうケースがほとんどなのです。


なぜなら、中途半端に塗られてしまった塗膜や、失敗した塗装を、まずはきれいに剥がし、壁を一度リセットする、という「余計な手間」が発生するからです。通常の高圧洗浄だけでは落としきれない場合は、専用の剥離剤を使ったり、手作業で削り取ったりする必要があり、その分の人件費や材料費が、通常の工事費用に上乗せされることになります。


「費用を節約するために始めたDIYが、結果として、最初からプロに頼む場合の1.5倍もの費用がかかってしまった」という、笑えない話も、決して珍しいことではないのです。

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専門領域は専門家へ。それが最も賢明で、経済的な選択

ここまで、外壁塗装のDIYに潜む、様々なリスクについてお話ししてきました。もちろん、ご自身の家に愛着を持ち、自分の手でメンテナンスをしたい、というお気持ちは、非常に尊いものです。


しかし、外壁塗装は、単なる日曜大工の延長線上にある作業ではありません。それは、専門的な知識、長年の経験に裏打ちされた技術、そして何よりも、徹底した安全管理が求められる、専門性の高い「工事」の領域なのです。


目先の費用を節約しようという考えが、結果として、ご自身の安全や、大切な住まいの品質、そして、より多くのお金と時間を失うという、最も望まない結果に繋がってしまう可能性があります。


住まいに関する事柄には、ご自身でできることと、専門家に任せるべきことの、適切な線引きがあります。そして、外壁塗装は、間違いなく後者に属する、と私たちは考えます。最初から信頼できるプロに任せること。それが、ご自宅とご自身の未来を守るための、最も賢明で、そして最も経済的な選択であると、私たちは信じています。

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