「古い浴槽の排水口が壊れたけれど、同じ部品が見つからない」
「排水口だけ交換できるのか、浴槽ごと取り替えなければならないのか分からない」
このようなお悩みはありませんか。
一般的に「浴槽の排水口」と呼ばれている部分には、ゴム栓やパッキン、ワンプッシュ式の密閉フタ、内部ワイヤー、排水金具など複数の部品があります。
古い浴槽でも、故障している部品と対応する交換部品を特定できれば、排水口まわりの部品交換だけで直せる可能性があります。
一方、部品が生産終了している場合や、浴槽下の排水管まで劣化している場合には、排水口だけの交換が難しく、浴槽や浴室全体のリフォームが必要になることもあります。
この記事では、古い浴槽の排水口を交換できるケースや交換部品の見分け方、自分で交換できる範囲、業者へ依頼したほうがよい症状について解説します。
■古い浴槽でも排水口だけ交換できる場合がある
古い浴槽だからといって、必ず浴槽全体を交換しなければならないわけではありません。
まず確認したいのは、浴槽の年数よりも「どの部品に不具合が起きているか」です。
・浴槽の古さだけでは交換できるか判断できない
浴槽の排水に関係する不具合には、次のようなものがあります。
- ゴム栓が硬くなり、排水口に密着しない
- 排水栓のパッキンが劣化している
- ワンプッシュ式の排水栓が閉まらない
- 浴槽にお湯を張っても少しずつ減っていく
- 排水口の金属部分がサビている
- 浴槽の下や洗い場へ水が漏れている
- 排水に時間がかかる
ゴム栓やパッキンだけが劣化している場合は、部品を交換するだけで改善できる可能性があります。
一方、排水口の金具や浴槽下の排水管から水が漏れている場合は、表面から見える部品を交換するだけでは直りません。
同じ「排水口の不具合」でも、原因によって必要な工事が大きく変わります。
・対応する部品が残っていれば部分交換できる
古い浴槽でも、メーカーに交換部品が残っている場合や、現在販売されている部品で代用できる場合があります。
部品を探す際は、次の情報を確認しましょう。
- 浴槽やユニットバスのメーカー
- 製品名や品番
- 浴室を設置した時期
- 排水栓の形状
- 排水口の直径
- 取り外した部品の形状や寸法
メーカー名や品番は、浴室のドア付近や点検口、浴槽側面のエプロン内部などに記載されていることがあります。ただし、表示されている場所は製品によって異なります。
古い製品の場合は、部品の供給が終了していることもあります。形状が似ているだけで部品を選ぶと、寸法が合わなかったり、お湯を止められなかったりするため注意が必要です。
・排水口全体ではなく排水栓だけの故障も多い
「排水口を交換したい」というご相談でも、実際に調べるとゴム栓や密閉フタ、パッキンだけが劣化していることがあります。
例えば、浴槽にお湯を張ったあと、時間の経過とともに水位が下がる場合は、排水栓と排水口の間に隙間ができている可能性があります。
排水栓を掃除しても改善しない場合は、パッキンの摩耗や変形、ゴム栓の硬化などが考えられます。
ただし、お湯が減る原因は排水栓だけとは限りません。浴槽本体のひび割れや配管の漏水も考えられるため、原因を決めつけないことが大切です。
■まずは交換が必要な部品を確認する
浴槽の排水口まわりには複数の部品があります。どこに不具合があるのかを確認してから、交換方法を検討しましょう。
・ゴム栓・鎖
昔ながらの浴槽に多いのが、鎖の付いたゴム栓です。
ゴム栓は長く使うと硬くなったり、縮んだりして、排水口へ密着しにくくなります。表面にひび割れや欠けがある場合も交換の目安です。
ゴム栓だけでなく、鎖が切れた場合や、浴槽につながっている金具が外れた場合にも交換できます。
ただし、ゴム栓には複数のサイズがあります。排水口の直径だけではなく、現在使っている栓の上部と下部の直径、高さなども確認して選びましょう。
・排水栓のパッキン
ワンプッシュ式やポップアップ式の排水栓には、お湯を止めるためのパッキンが取り付けられています。
パッキンが劣化すると、排水栓を閉めても隙間から少しずつお湯が抜けるようになります。
パッキンや密閉フタを取り外せる製品もありますが、メーカーや製品によって構造が異なります。交換前に取扱説明書やメーカーの部品検索ページを確認してください。
なお、排水栓に髪の毛や石けんかすなどが挟まっているだけでも密閉しにくくなります。交換する前に、排水栓と排水口の接触部分を掃除してみましょう。
・ワンプッシュ式の密閉フタ
浴槽の縁にあるボタンを押して開閉するタイプでは、排水口に取り付けられた密閉フタだけを交換できる場合があります。
密閉フタの裏側にはパッキンが付いており、経年劣化や汚れによってお湯を止められなくなることがあります。
LIXILも、対象製品については密閉フタやパッキンを購入し、利用者自身で交換する方法を案内しています。ただし、対応部品は製品ごとに異なるため、必ず品番の確認が必要です。
・押しボタンと内部ワイヤー
ワンプッシュ式の排水栓は、浴槽の縁にあるボタンと排水栓が内部のワイヤーなどでつながっています。
次のような症状がある場合は、密閉フタではなく内部部品が故障している可能性があります。
- ボタンを押しても反応しない
- ボタンが戻ってこない
- 排水栓が開いたまま、または閉じたまま動かない
- ボタンを押したときの手応えがない
内部ワイヤーを交換するには、浴槽側面のエプロンや点検口から作業しなければならない場合があります。製品知識も必要になるため、無理に分解せずメーカーまたはリフォーム業者へ相談しましょう。
・排水金具・排水管
浴槽の底に取り付けられている排水金具や、その下につながる排水管が劣化している場合は、専門業者による工事が必要です。
特に、次の症状には注意してください。
- 排水口の金属部分にサビや腐食がある
- 排水金具が動く、または浮いている
- 浴槽と排水口の間に隙間がある
- 浴槽下や床下へ水が漏れている
- 浴室の外まで水が染み出している
漏水を放置すると、浴室の下地や土台まで傷むおそれがあります。目に見える部分だけを補修せず、浴槽下の状態を含めて確認することが重要です。
■自分で交換できる部分と業者に依頼する部分
浴槽の排水口交換を自分で行えるかどうかは、交換する部品と浴槽の構造によって異なります。
・ゴム栓や鎖は比較的交換しやすい
既存のゴム栓を取り外し、同じ形状と寸法の製品を取り付けるだけであれば、比較的交換しやすい作業です。
交換後は浴槽に少量の水を張り、水位が下がらないか確認しましょう。
ただし、「浴槽用」「流し台用」など用途の異なる栓もあります。直径が近いという理由だけで購入せず、浴槽に対応していることを確認してください。
・密閉フタやパッキンは品番の確認が必要
ワンプッシュ式の密閉フタやパッキンを交換するときは、メーカーと品番の確認が欠かせません。
似た形に見えても、軸の長さや接続部分、パッキンの寸法が異なる場合があります。
品番が分からない場合は、次の写真を撮ってメーカーや業者に確認してもらうとスムーズです。
- 浴室全体
- 浴槽全体
- 排水口を上から撮影した写真
- 取り外した排水栓の表側と裏側
- 浴槽や浴室に貼られた品番ラベル
- 浴槽側面や点検口の内部
無理に部品を引き抜くと、内部の接続部分を破損させるおそれがあります。取り外し方が分からない場合は、そのままの状態で相談しましょう。
・内部ワイヤーや排水金具は業者へ依頼する
内部ワイヤーや排水金具、排水管の交換には、浴槽側面や床下からの作業が必要になる場合があります。
交換方法を誤ると、見えない場所で水漏れが発生する可能性があります。表面上は問題がないように見えても、入浴のたびに浴槽下へ水が漏れてしまうこともあるため注意が必要です。
次の作業は、基本的に業者へ依頼することをおすすめします。
- ワンプッシュ式排水栓の内部部品交換
- 浴槽底部の排水金具交換
- 排水管や接続部分の交換
- 浴槽を一度取り外す必要がある工事
- 浴槽下や床下の漏水調査
・サビついた古い排水口を無理に外してはいけない
古い浴槽では、排水金具がサビや水あかで固着していることがあります。
工具を使って無理に回すと、浴槽本体が割れたり、排水管との接続部分が外れたりする可能性があります。
ホーロー浴槽やFRP浴槽など、浴槽の素材によっても注意点は異なります。排水口の周囲にサビ、ひび割れ、変色などがある場合は、自分で外す前に業者へ確認してもらいましょう。
■古い浴槽の排水口を交換する流れ
古い浴槽の排水口を交換するときは、いきなり部品を購入するのではなく、次の順番で確認します。
・浴槽と排水栓のメーカー・品番を調べる
最初に、浴槽やユニットバスのメーカーと品番を確認します。
取扱説明書や建築時の資料が残っていれば、そこから製品情報を調べられます。資料がない場合は、浴室内に貼られたラベルや刻印を探しましょう。
品番が見つからない場合でも、浴室を設置したおおよその年代や排水栓の写真が手がかりになります。
・排水栓の形状と寸法を確認する
ゴム栓の場合は、栓の上部・下部の直径や高さを測ります。
ワンプッシュ式の場合は、密閉フタの直径だけでなく、裏側の形状や軸の長さも確認が必要です。
なお、排水金具そのものは無理に取り外さないでください。取り外す必要がある場合は、業者へ依頼しましょう。
・対応する交換部品を探す
メーカーの公式サイトや部品販売窓口で、品番に対応する交換部品を探します。
メーカー純正品が見つからない場合でも、すぐに市販の汎用品を取り付けるのは避けましょう。わずかな寸法の違いで密閉できず、お湯が漏れる可能性があります。
部品が生産終了している場合は、後継品の有無や代替できる部品についてメーカーまたは業者へ確認します。
・交換後にお湯を張って確認する
部品を交換したあとは、排水栓を閉めて水を張り、水位が下がらないか確認します。
最初から満水にするのではなく、少量の水で排水栓まわりの状態を確認してから水量を増やしましょう。
浴槽下を確認できる構造であれば、排水口との接続部分から水が漏れていないかも確認します。
・部品が見つからない場合は現地調査を依頼する
古い浴槽では、メーカー名や品番が分からなかったり、対応部品がすでに生産終了していたりすることがあります。
その場合は、次の選択肢を検討します。
- 使用できる後継部品を探す
- 排水栓の仕組みを変更する
- 排水金具と排水管を含めて交換する
- 浴槽だけを交換する
- 浴室全体をリフォームする
どの方法が適しているかは、浴槽の構造や劣化状況によって異なります。現地で状態を確認したうえで、部分交換とリフォームの費用を比較することが大切です。
「メーカーや品番が分からない」「どの部品を交換すればよいか判断できない」という段階でも大丈夫です。浴槽や排水口の状態が分かる写真をご用意のうえ、お気軽にご相談ください。
■浴槽の排水口交換にかかる費用
浴槽の排水口交換にかかる費用は、交換する部品や作業方法によって大きく異なります。
・ゴム栓・パッキンなどを交換する場合
ゴム栓や鎖、取り外し可能なパッキンなどは、部品の購入だけで済むことがあります。
ただし、対応部品の調査や現地での取り付けを業者へ依頼する場合は、部品代に加えて出張費や作業費がかかります。
安い汎用品を購入しても、サイズが合わなければ再購入が必要です。メーカーと品番が分かる場合は、できるだけ対応が確認された部品を選びましょう。
・ワンプッシュ式の内部部品を修理する場合
密閉フタだけの交換であれば比較的小規模ですが、押しボタンや内部ワイヤーまで故障していると、点検口や浴槽側面からの作業が必要です。
部品の価格だけでなく、浴槽へのアクセス方法や分解・復旧に必要な作業によって費用が変わります。
・排水金具や排水管まで交換する場合
排水金具や浴槽下の排水管を交換する場合は、浴槽の取り外しや床の解体が必要になることがあります。
同じ部品交換でも、点検口から作業できる浴室と、浴槽や床を外さなければ作業できない浴室では、工事内容が大きく異なります。
正確な費用を知るためには、浴槽の種類と作業スペースを現地で確認する必要があります。
・浴槽または浴室全体を交換する場合
部品が生産終了している場合や、排水口以外にも複数の劣化がある場合は、修理を重ねるより浴槽や浴室全体を交換したほうがよいこともあります。
浴槽交換だけで済むか、床や壁、給排水管を含めた工事が必要かによって費用と工期は変わります。
排水口だけを見て判断するのではなく、今後その浴室を何年使用する予定なのかも含めて検討しましょう。
■排水口の修理と浴槽リフォームの判断基準
排水口の部品交換で対応するか、浴槽や浴室全体をリフォームするかは、劣化している範囲で判断します。
・部品交換だけで対応しやすいケース
次の条件に当てはまる場合は、部品交換だけで改善できる可能性があります。
- ゴム栓やパッキンだけが劣化している
- 対応する交換部品を確認できる
- 排水口周辺にサビやひび割れがない
- 浴槽下や床下への水漏れがない
- ボタンや内部ワイヤーが正常に動く
- 浴室のほかの部分に大きな不具合がない
この場合でも、交換後にお湯が減らないか、浴槽下へ水が漏れていないかを確認してください。
・浴槽や浴室全体のリフォームを検討するケース
次のような場合は、浴槽または浴室全体のリフォームも選択肢になります。
- メーカーや品番を特定できない
- 交換部品が生産終了している
- 排水口の金具にサビや腐食がある
- 浴槽にひび割れや変形がある
- 排水管や接続部分から水が漏れている
- 床や壁にもひび割れや傷みがある
- 浴室内に複数の不具合が発生している
- 冬場の寒さや浴槽の保温性にも悩んでいる
排水口の修理に費用をかけても、すぐに浴槽や配管の別の部分が故障すると、結果的に負担が大きくなる可能性があります。
古い浴室では、部分修理と全体リフォームの両方を比較して判断しましょう。
・浴槽交換を含む施工事例

リフォームの松もとでは、岐阜県多治見市の4階建てマンションで、浴槽を含む室内改修工事を行いました。
この事例では、浴槽だけでなく、キッチン・トイレ・洗面台を新しいものへ取り替え、浴室や洗面所などの床も造作しています。工事期間は2026年1月12日から3月13日までで、一室全体を対象とした改修工事です。
参考事例:岐阜県多治見市 4階建て Fマンション様 室内改修工事
この事例は排水口だけを交換した工事ではありませんが、浴室の劣化が排水口だけにとどまらない場合に、浴槽や床、水回り設備をまとめて更新した実例です。
排水口の一部だけを直すべきか、古くなった浴槽や周辺設備まで交換すべきかは、現在の状態と今後の使い方によって変わります。
リフォームの松もとは、浴室・キッチン・トイレなどの水回りリフォームに対応し、用途や目的に合わせた提案を行っています。
排水口だけの交換で済むのか、浴槽全体を取り替えたほうがよいのか分からない場合も、まずは状態の確認からご相談いただけます。名古屋市を中心とした浴室・水回りのお悩みは、リフォームの松もとへお気軽にお問い合わせください。

